クレジットスプレッドとは？

クレジットスプレッドは、オプション取引において、同時に異なるストライク価格や満期日のオプションを売買する戦略です。この戦略では、オプションを売ることで得たプレミアムが、オプションを買うことで支払うプレミアムよりも大きくなるため、初期にクレジット（信用）を得ることができます。これにより、リスクを抑えた状態で利益を狙うことが可能です。

クレジットスプレッドの種類

クレジットスプレッドには主に「ブル・クレジットスプレッド」と「ベア・クレジットスプレッド」の2種類があります。

ブル・クレジットスプレッド
ベア・クレジットスプレッド

ブル・クレジットスプレッド

ブル・クレジットスプレッドは、上昇相場を見込んで行う戦略です。この戦略では、低いストライク価格のコールオプションを売り、高いストライク価格のコールオプションを買います。これにより、相場が上昇した場合に利益を得ることができます。

ベア・クレジットスプレッド

ベア・クレジットスプレッドは、下落相場を見込んで行う戦略です。高いストライク価格のプットオプションを売り、低いストライク価格のプットオプションを買います。この場合、相場が下落した際に利益を得ることができます。

クレジットスプレッドのメリット

クレジットスプレッドの主なメリットは、リスクを抑えつつ利益を狙える点です。オプションを売ることで得たプレミアムが初期投資となり、相場が予想通りに動いた場合に利益を得やすくなります。また、損失が発生した場合でも、最大損失が事前に把握できるため、リスク管理がしやすいです。

クレジットスプレッドのデメリット

一方、クレジットスプレッドにはデメリットも存在します。例えば、相場が予想に反して動いた場合、利益が制限されることがあります。また、オプションのプレミアムが減少することで、利益が薄くなる可能性もあります。そのため、相場の動向を常に注視する必要があります。

クレジットスプレッドの実践例

具体的な例を挙げてみましょう。例えば、ある株の現在の価格が100ドルだとします。投資家は、90ドルのストライク価格でコールオプションを売り、110ドルのストライク価格でコールオプションを買うとします。この場合、90ドルのコールオプションを売ることで得たプレミアムが5ドル、110ドルのコールオプションを買うために支払ったプレミアムが2ドルだとすると、初期のクレジットは3ドルとなります。

相場が上昇して110ドルに達した場合、投資家は最大で3ドルの利益を得ることができますが、相場が90ドルを下回った場合、損失は制限されます。これにより、リスクを抑えた取引が可能となります。